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2020/09/09 17:39

毛鉤職人と云いますか、羽毛獣毛問屋をやっておりますと、一般の皆さんには想像が出来ない様な、いろいろと奇妙な作業を蔭でコソコソとやっております。フライフィッシングにご興味の無い方にとっては、猟奇的行動?と思われるかもしれません。
ソレもコレもアレも、皆さんの快適なタイイング・ライフのお手伝い、そして僕自身の為にも、との一心ですので、どうかご理解のほどを m(_ _)m より良いマテリアルを、より安く!をモットーに励んでおります。

話はいきなり変わります。

ムスメ達(自分の子供のことで、夜の街のおねえさん達ではありません。)が小さかった頃のことですので、随分と昔のことになります。子供であればみんな大好きな動物園に行った時のこと。いや、子供だけでは無く、フライ・タイイングをされる方も例外無く大好きなハズ(笑)大型鳥類のゲージなんか、僕は本当に大好きです。「 出来ることなら、ウチに連れて帰りたい!」と思ってしまいます。コンドルのゲージの前では、「 生体がダメなら(ダメに決まっておりますが... ^^; )、せめて、下に落ちているクイルでもいい。ペアで欲しいなんて、そんな贅沢は言いません。ドライフライのボディーに使うので、プライマリーでもセカンダリーでもいいのですよ...」と、清掃作業中の担当オネエさんに心の中で、大声で叫んだものです。大型オウムやアーガス等のフェザント類、フラミンゴ....  神様の創造物が、全て魚釣りに結び付いてしまいます。

ゾウやカバ(← 【興味レベル= 0 】)、ライオン、ヒョウ(← 興味レベル = 2 )、キリン(← 興味レベル = 3 ダビング材を作ってみたい )と、一通り見て回った後に、子供達が駆け込んだのが、” どうぶつ ふれあい広場 ” 。ヤギ(← 興味レベル = 3)やヒツジ(← 興味レベル = 3)、ポニー(← 興味レベル = 2 )、ウサギ( ← 興味レベル = 5 )が、柵の中で放飼いにされていて、餌を与えたり出来る、お馴染みのコーナーです。
” ふれあい広場 ” の名前通り、動物達も人馴れしていて、我が子達も、それぞれの頭を撫でて喜んでいます。子ヒツジも子ウサギも、” ぬいぐるみ ” その物。ホント、可愛いものです。動物の子供?赤ちゃん?って、例外無く、文句無しに可愛いですよね。( 誰も信じてくれませんが、僕にも、そういう時期がありました(笑))

そんなこんなしているうちに、数羽の子ウサギが、僕ら一家の足元に駆け寄って来ました。しゃがみ込んで、みんなで撫で撫で。子供達は「かわいぃ〜、カワイィ〜〜」の連呼です。その直後のことです。一家の幸せな空気を、僕のたった一言が吹き飛ばしてしまいました。決して大声では無く、ボソリと言っただけなのに。僕は思わずつぶやいた、

「生きてるウサギ、久しぶりに見た...」


🈲  ご家族、奥様、彼女と動物園に行かれる場合、この一言だけは、絶対に口にしてはいけません。

ダビング材、ゾンカー・ストリップ、スノーシュー等々、もし、ウサギが居なくなれば、どれだけのパターンが巻けなくなるでしょうか? シカとウサギには足を向けて眠れないくらい、お世話になっているんだなぁ〜 つくづくそう思います。
フライマテリアル用語(?) では、ウサギのことを、ラビット( rabbit )や、ハー( hare )と呼ぶことは、みなさんご存知の通りです。どちらもウサギなのですが、実は種類が違います。
ラビット( rabbit )は、端的に言ってしまえば、”  アナウサギ ” 。ペットや毛皮目的に飼育された家畜種で、地面に巣穴を作ることから、そう呼ばれています。厳密には、ノウサギ属以外のアナウサギ類の総称です。ゾンカーテープは、ほぼ100%、このラビットファーが使われています。一方、ハー( hare )は、ノウサギのことで、唯一巣穴を作らない属です。マテリアル名としては、ハーズマスクやイヤー、スノーシューやハーズ・フィートと言う様に、ラビット( rabbit )と区別する為に、” ハーズ (hare's) " を付けることになっています。(← 断言して良いのか?) 英語では、ウサギをそれぞれ、呼び分けていますので、その影響だろうと思いますが... 
昆虫もそうですが、英語では、結構厳密(?)に呼び分けています。トンボも良い例かもしれません。静止した状態で、ウイングを水平に開くヤンマ属は、” ドラゴンフライ(dragonfly) ” 、垂直に閉じて止まるカワトンボ属は、" ダムゼルフライ ( damselfly ) " 。探せば、もっとあるかもしれません。どんどん、話題がソレていく〜

もうひとつ、ウサギのヘア構造についてなのですが、実は、シカ類やシロクマ(ポーラベア)と同じく、中空構造になっています。硬いヘアではないので、スレッドで絞っても、フレアには、気が付きにくいことかもしれません。タイイングやフライデザイン的にも重要な意味はありませんし、無視して良いことです。無駄な知識?として、どうぞ(笑)

予定通りに、今回もタイトルから、相当大きく踏み外しております(笑)

今日、僕が語りたいことは、つまり、本題ですね。ハーズ・マスクについてなんです。ウサギさんの” おめん ”のような、少々グロいアレです。耳の毛を切り取って、ニンフを巻いたり、顔の毛でダビング材を作ったり、どなたも一枚くらいは持っているのではないでしょうか。ハー( hare )は、基本的にはワイルド(野生)のものを捕獲かゲームハントされたものが商品の中心なのですが、最近は、ゲージで飼育・養殖されたものも有るらしいことを聞いています。フライマテリアルとしては、養殖物だろうと、野生物であろうと、どうでも良いことに思えますが、やはり、ヘア特性に差が生じます。野生個体の方が、ヘアが細いのです。更に、子ウサギと成獣を比べますと、子ウサギの方が、ヘア密度が高くて柔らかく、毛足が長い傾向にあります。おそらく、寒さから、幼い体を守るためには、それらが必要なのだろうと言うことは簡単に推測出来ます。このような、どうでも良い知識ばかりを溜め込んでいきますと、ついつい「野生の子ウサギ ハーズマスクが欲しい 」なんて、とんでもないことを考え出すわけです。普通のハーズマスクは、大手マテリアル商社さんからの商品が、ショップにたくさん並んでいますし、僕も5、6枚くらいは持っています。

欲しくなってしまった、  ” 普通じゃないワイルドのハーズマスク ” は、どうすれば手に入るのか?
取引実績の有る海外のファー・ハンドラーに聞きまくったところ、ついに発見!! 生後1年程の亜成獣のワイルド・ハーを扱っているとのこと。さっそく、3カラーを取り寄せてみました。

届いたのがコレ ↓  第一印象は、「小さっ!」、「しわくちゃ」、「耳、短っ!」

約1歳の亜成獣のハーズマスクです。フライマテリアル風に命名しますと、Yearling Hare's Mask と云ったところかな...

子供ウサギですから、顔の小ささも、耳の短さも、理解出来るのですが、クシャっとなった顔?スキン?は、ナゼ?? 
泣き顔の子ウサギみたい... かなり、後ろめたい気持ちになってしまいます。
でもですねぇ、この写真を撮影する前に、ドライヤーでスキンを熱して、引き伸ばして成形した後なんです。それでも、こんな感じ。まぁ、へアだけを切り出して使う物ですから、スキン形状は、マテリアル性能とは関係は無いんですけどね。後で、知ったことですが、子供はスキンが薄いので、乾燥時にピンで板に固定出来ないため、しわくちゃになってしまうとのこと。

子供と大人のへアを比べて見ました。左が大人右が子供。眼と眼の間、眉間辺りの画像です。

比較して見ると、確かに、ヘアが細くて、高密度、毛足も長い、毛艶も違う...  手触りもふかふかで、気持ちいいんです。
毛足の長さを測る為に、スケールを差し込んでみました。大人は約10mmですが、子供は、20mm超で、倍近い差があります。ヘア構成として、決定的に違うのがガードヘアです。画像を注意深く見ないと分かりづらいのですが、子供のガードヘア(ガードヘアのガードヘア?)は、まばらで、極端に長くて細いのです。良く見てください。黒くて細いヘアです。スケール目盛りの25 - 28mm辺りまで達していますが、大人には、それがありません。もうひとつ、加えることとして、ヘアの重量が軽いんです。これは、あとでフライを巻いて気付いたことなのですが、ヘアが細いことに起因しているのかもしれません。
生き物ですから、当然のことながら個体差がありますので、これだけで全体を評価出来ませんが、事前に知っていた知識とおおよそ合致しています。

「このヘアって、ドライフライのハックルとして使えないか?」と、脳裏に浮かびました。吸水特性がわかりませんが、浮力面では、他のマテリアルで補完すれば上手く水面と絡んでくれそうが気がしたんです。それで早速、2パターン巻いてみました。

コレは、なんと名前を付けて良いのやら....  UNUSUAL (アン ユージュアル)なんてどうでしょう?(笑)
かなり、バルキーなイメージのフライになりましたが、釣れそうなオーラを放っているような・・・ そう思いませんか? 
テールとフロントハックルは、パタゴニアン・ハーズ・フィート(スノー・シュー)、ボディーとリアハックルは、今回のYearling Hare's Mask です。テールとFハックルのハーズ・フィートだけでも、充分に浮力を保つことが出来ると思いますが、Rハックルには、CDCを混ぜ込んで、水面に複雑なライトパターンを作り出す魂胆です。ペーストタイプのフロータントと相性が良さそう❗^^v
ハックルは当然、コンポジットループで巻き上げています。

もう1本❗ ボリューミーなイマージャー系を。アンダーファーが水を含んで、妖艶さを発揮するはず。浮力サポートとして、CDC 2枚をループ状にして、取り付けてあります。こちらのハックルは、Yearling Hare's Mask だけです。
これらを早く、フィールドテストで実証したいところなのですが、この連日の酷暑では、老体が持ちません。しかしテストをしなくても、投射性も含め、おおよそのことは想像出来る範疇です。

それで、それで、やっと、本題です。
泣き顔の子ウサギちゃん達が入荷致しました。このままパッケージングしても良いのですが、少しでも泣き顔を矯正したく、酷暑の中、せっせとアイロン掛けをしている次第です。裏面を伸ばしてから、ファーにやさしくスチームを当てると、とても可愛い表情に変わります(笑)

僕は、ドライフライに使ってみましたが、もちろん、本来のダビング材としても、繊細なファイバーで良い仕事をしてくれると思います。
Yearling Hare's Mask なんて商品は、今まで見たこともありませんでしたが、実際に手にしてみると、素晴らしいポテンシャルを持ったマテリアルであることを確信しました。他社様では、おそらく取り扱いが無いだろうと思います。この機会に、是非みなさんのフライにご活用いただきたく思っております。
 
子ウサギちゃんのツラの皮にアイロン掛け、この作業はまだまだ続きます。
今回、僕が言いたかったのは、もしかして、この一行だけ?? 笑笑 なんか、そうみたいですね^^;

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