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2020/08/19 21:17

皆さん、連日の酷暑に体調を崩されていませんか? 
これだけ暑いと、外に出る気持ちにもなれず、涼を求めて山岳渓流に行くことも億劫に感じてしまいます。エアコンフル稼働の部屋の中で、黙々とマテリアルの選別作業をする毎日が続いております。本来は、” マテリアルいじり ” が大好きな僕ではありますが、部屋と廊下の気温差のせいなのか、集中力が継続しないんですよね、ここ最近...
仕事ですから、好きとか嫌いとか、集中出来ないなんて言ってはいられないのですが、今、作業しているのが、最も集中力が必要なマラードフェザーの選別なんですよ。

大きなバケツ2杯分くらいのマラード山。
仕入れコストを抑える為に、” マラードダックボディーフェザー ” として僕の元に入ってきます。ボディーフェザーの名前通り、ネック、ウイング、テール、CDCを除く、ブレスト、フランク、ショルダー、クイルに近い?ようなもの、コレってマラード?的な物までを含む、「超 お楽しみバラエティー・パック」状態なわけで、ココから、グレーフランク、ブロンズ、グレー、ブラウン、ドライフライ用、ウエットフライ用、その他を選り分けていきます。

ピーコックアイや、大型クイルフェザーの選別であれば、単一フェザーですし、モノが大きいので、比較的楽なのですが、この ” お楽しみバラエティーパック ” は、文字・言葉では表現出来ない凄いウルトラ・バラエティーなのです... 

「マラードダック」は、一般的には、マガモを意味するのですが、この大量の山の中には、明らかにマラードでは無い、ティールダック(和名 コガモ)と思えるコントラストの素晴らしいフェザーや、ウッドダック (和名 オシドリ)らしき物もぽつぽつとまざっていることがあります。ティールダックや、ウッドダックは、現在では入手が非常に難しい、高価なマテリアルであることは、皆さんもご存知の通りです。どちらも基本的に狩猟を禁じられていますので、市場に出回るのは、殆どがゲージの中で飼育、繁殖された物か、または、狩猟が認められている国・地域で捕獲されたものでしょう。ティールダックのフランクフェザーは、ピーターロスのウイング材や、ウェットのスロート、クラシックサーモンパターンに使われる人気マテリアルなのですが、入手が難しくなった現在では、見分けが付かないほど良く似た ウィジョン(和名 ヒドリカモ)や、ガッドウォール(和名 オカヨシガモ)が、その代用品として使われるようになりました。代用品と言えども、けっして安いものではありませんので、僕には中々、購入する勇気がありません。大当たりフェザーは、コツコツとフェザーチェストに仕舞い込んでおります(笑) 

今回も、本題から相当外れて来ているような....  まぁ、いいか... 
マイペースで進めさせていただきます。

狩猟が禁じられていたり、生態保護等の関係で、流通量が少ない物は、そのお値段も高価になるのは、致し方無いとしても、世界的にも狩猟OKで、飼育までされているマラードのフェザーが、ナゼ、こんなに高いのか? そんな疑問を感じた方、いらっしゃいませんか? またまた、これは僕だけの疑問でしょうか?  マラードのボディーフェザーを価格の安い順番に並べてみます。
① グレーマラード(又は、単にマラードフェザー)徳用パック/バルクパック
マラードフランク
③ マラードフランク( セレクト品、ペア物)
④ ブロンズ(ブラウン)マラード (ペア物)

①は、最もお手頃価格で、徳用大袋とか、バルクパックと呼ばれるものですが、取り扱い商社やメーカー、パッケージ毎に、内容、品質、価格が大きく違います。カールした小さなフェザーは、フランク(脇腹部)では無く、ブレスト(胸部)フェザーです。これらのフェザーで構成されたパッケージにフランクとは書けませんので、グレーマラードとか、マラードフェザー と記載することになるわけです。
ココで、問題が発生します。ブレスト(胸部)とフランク(脇腹部)の境界って、一体、どこよ? ってことです。フランクは、鳥の脇腹と言えば良いのか、ブレストの両サイド部分で、ブレスト中心から離れるにしたがって、サイズも大きく、カールが穏やかになります。この境界線は、厳密に決まりがあるわけではないので、実際にパッケージングした会社のルール基準?や担当者の判断、気分?、サービス精神?で、徳用パックのフェザー内容が変わってきます。徳用パックを購入されるときは、ショップ店長さんにお願いして許可をもらった上で、じっくりと商品を選びましょう!

ここからは、僕の邪推ですので、必ずしも正しいとは限りませんので、最初におことわりしておきます。
たぶん、多分ですよ、マラードフェザー商品をパッケージングする時は、僕と同じように、大量の お楽しみバラエティーフェザーの山を目の前にしながらの作業だと思うんですよ。コンプリートスキンから、フェザーを選んでムシり取ってパッケージするとは到底思えません。飼育観賞用、ペット用の鳥以外のフェザーは、基本、食用肉の副産物として排出(?)されます。鳥類の食用肉は、スキンを剥いて食肉化せずに、羽をむしり取って、皮の付いた状態で市場に流れます。近所のスーパーやKFチキンの鶏肉だって、アメリカのスーパーの七面鳥だって、北京ダックだって、必ず皮付きです。

コンプリートスキンの状態から、フェザーを選んで抜き取ることは、相当なレアケースだろうと思います。有り得るとしたら、上記④のブロンズマラードのペア商品です。ブロンズマラードと呼ばれるフェザーは、一羽から採取出来るのは、4〜6ペアくらいで、外観で識別可能ですので、解体される前に抜いてしまった方が、後からペアを作るのに比べて、遥かに短時間で済みます。更に、同一個体からのペアですので、カラーや模様、グラデーション、サイズもパーフェクトマッチに近い、フライマテリアルとしては、高値が付きやすい物になります。

上の画像をもう一度、見て下さい。この山の中から、ブロンズのペアを探し出すことが、どれくらい大変なことか想像出来きますよね。いや、それをご理解いただきたいのですよ(笑)
ブロンズ(ブラウン)は、絶対数が少ない それを、この山から探す選んだ物を左右それぞれに分けるカラー、模様、グラデーション、サイズのパーフェクトマッチペアを作る ただでさえ神経が衰弱するような作業を、今年のような殺人的酷暑の中でやっているわけで、老体には、少々厳しい...

マラード山からのフェザー選別には、僕なりの作業順番があります。作業効率アップの為と言うよりは、少しでも楽をしたいだけなのですが(笑)
まず、マラード山 からランダムに
一枚ずつ手に取っていきます。それを、下記のようにコンテナに分け入れます。
→ フランクフェザー →「左」 「右」に分ける  → 左右ペアを作る → 残りはペアを組めないフランクフェザー(ドライのバンチウイング専用になる
→ ブレストフェザー →
ドライのバンチウイング専用になる
→ブロンズ  → 「左」 「右」に分ける  → 左右ペアを作る → 残りはペアを組めない(次回入荷品まで保管)
→Dkグレー「左」 「右」に分ける  → 左右ペアを作る → 残りはペアを組めない(次回入荷品まで保管)
→ Dk ブラウン
「左」 「右」に分ける  → 左右ペアを作る → 残りはペアを組めない(次回入荷品まで保管)
→ ウェットのウイング材になりそうな物(自家消費用)→ 使い物にならない捨てる物。

上記の、「ドライのバンチウイング専用になる」とした物は、徳用パックとかバルクパックになる単独で使うものです。

マラードのペアを作る作業は、皆さんが想像するよりも、遥かに神経を使う慎重な作業なんです。ご存知のように、白黒の縞模様がありますので、サイズ、形状以外に、その縞模様まで同じものを探してペアを組まないといけないんですよ。そうじゃないとウェットフライのウイング材に使えない。水中では、魚が左右ウイングを同時に見ることは、まぁ、物理的に有り得ないと思うのですが、マラードは光の透過性に優れているので、縞模様が合っていないと、片側から見ても不自然になる厄介物(選別する人間にとってですが...)。逆に、この透光性がマラードウイングの最大の魅力、武器になっています。「クイル材よりもマラードの方が、魚を惹き付ける!」と断言する方もいるほどです。

普通のグレーマラードでも、ここまでのパーフェクトマッチを迫られますので、更に、ブロンズマラードのように、カラーグラデーションも加わると、コレはこれは、途方も無い神経衰弱ゲームになります。

一番目の画像のマラード山から、ブロンズマラードとしてパッケージ出来たのは、Lサイズ、Mサイズ合わせて、たったの30ペアです。この30ペアに辿り着くまでに、延べ2日半ほどの時間を費やしています。1日の労働時間を12時間として計算しますと、2日半=30時間。これに、宮城県の最低労働賃金は¥824を掛けますと¥24,720になります。30時間で30ペアですから、こんな計算をせずとも、1ペアの選別単価は最低労働賃金の¥824ですね。

ウチのブロンズマラードの商品価格が、5ペア入り税込¥980...   原価計算すると、間違いなく破綻しております(泣笑)
コマーシャルタイヤー視点で、お客様に提示させていただくフライ単価を考えますと、本日のブログタイトル通り「ナゼ高い? マラードフェザー」なのですが、マテリアル屋視点で.....  ん〜〜 考えたくもアリマセン。

A4サイズ、厚さ3cmまでは、基本的にクリックポストで、ご自宅ポストへのお届けになります。 ¥198 ジャングルコック等の高額商品については、ゆうパック発送です。

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